天竺素材、綿と化学繊維の混紡、通気性はどう?

天竺素材、綿と化学繊維の混紡、通気性はどう?
「天竺素材」の記事で記載をいたしましたが、天竺素材の特徴に、「通気性の良さ」が挙げられます。
天竺素材とはどういった素材でしょう?はこちらのページから
夏の暑い時期になると、通気性の良さで素材を選ぶ方も多いと思われます。
綿と化学繊維の混紡の場合、そのメリットでもある通気性の良さに影響はないのでしょうか?
ちょっと気になりますよね!
とても気になる点だと思いますので、天竺素材の綿と化学繊維の混紡の通気性について触れていきたいと思います。
結果を先に言いますと、「通気性に影響はでます!」
ただし・・・使用される化学繊維の種類と混紡率によって異なります。
1.ポリエステルとの混紡
1-1.通気性
ポリエステルは、繊維自体の吸湿性が低いため、綿100%に比べると「蒸れやすい」と感じる場合があります。
ただし、スポーツウエアなどによく用いられているポリエステルは、糸の構造や織り方(メッシュ状など)を工夫することで、
速乾性や吸水性を高め、体からの湿気を素早く逃し、肌離れがよい、べたつかない、といった快適さを提供することが出来ます。
これは、通気性というよりも、速乾性による快適さということになります。
1-2.メリット
速乾性、耐久性、シワになりにくい、形状安定、加工によっては毛玉になりにくいメリットが挙げられます。
1-3.デメリット
吸湿性が低い、静電気が起きやすい、素材によってはゴワつき感があるなどがデメリットです。
2.ナイロンとの混紡
2-1.メリット
弾力があってシワになりにくいところがメリットとして挙げられます。
2-2.デメリット
吸湿性が低い傾向にあります。
ただし、ナイロンは、合成繊維の中では比較的吸湿性がある方です。
3.レーヨン(再生繊維)との混紡
3-1.メリット
木材パルプなどを原料とする繊維で、吸湿性やドレープ性(体に優しくフィットする感)に優れています。
通気性も比較的良い繊維です。
3-2.デメリット
綿に似た肌触りですが、水に弱くシワになりやすいデメリットがあります。
しかしながら、綿などと混紡されることで、そのデメリットを補うこともあります。
4.ポリウレタン
主に伸縮性を加えるために少量混紡される素材です。
通気性への影響は少ないですが、混紡率が上がると、記事の密度が上がりますので、通気性が低下する可能性も出てきます。
5.まとめ
化学繊維との混紡は、天竺素材の通気性に対して、単純に「良い」「悪い」とは言い切れません。
通気性を重視するならば、綿100%の天竺素材が最も優れていますが、
速乾性や耐久性、お手入れのしやすさを重視するなら、ポリエステルなどの化学繊維との混紡素材が適しています。
その時々の用途や好みに合わせて、上手く選ぶのが良いのではないでしょうか?
そのためにも、それぞれの化学繊維の性質を、少しだけ知っておくと良いですね。