天竺素材とはどういった素材でしょう?

 天竺素材とはどういった素材でしょう?

天竺素材とはどういった素材でしょう?


天竺素材は、肌着やパジャマ、Tシャツなどによく使われている素材ですので、目にする機会も多くあると思います。

今回は、天竺素材の特徴やメリット、デメリットについて触れてみたいと思います。


天竺(てんじく)は、衣類で最も一般的に使われているニット生地の一種です。

別名「メリヤス編み」「平編み」とも呼ばれます。編み物をされる方にはよく耳にされる編み方ですね。

その名前は、かつてインドを「天竺」と呼び、インド産の綿織物を「天竺木綿」と呼んでいたことに由来すると言われています。


1.天竺素材の主な特徴


1-1.編み方



片面がすべて表目(V字の編み目)、もう片面がすべて裏目(横方向のΩ字の編み目)になる平編み(メリヤス編み)という基本的な編み方です。

1-2.伸縮性


横方向への伸縮性が高く、体にフィットしやすいため、着脱がしやすいです。

1-3.通気性


通気性が良く、吸水性も高いため、汗をかいても快適に過ごせます。

1-4.肌触り


サラッとした肌触りで、軽くて薄いのが特徴です。

1-5.汎用性


Tシャツのほか、肌着、ソックス、トレーナー、パーカー、ベッドシーツなど、幅広いアイテムに使用されます。

1-6.耐久性


比較的耐久性があり、洗濯にも強いです。

1-7.比較的シワになりにくい特性があります



1-8.ニット生地の中では比較的裁断や縫製がしやすいと言われています。




天竺素材の主な特徴を挙げてみましたが、どのようなメリットがあるのでしょうか・・・?



2.天竺素材のメリット


2-1.快適な着心地


ほどよい伸縮性があり、肌触りがサラッとしているため、体の動きに良く馴染み、リラックスして着用できます。

特にTシャツや肌着など、肌に直接触れるアイテムに最適です。

2-2.優れた通気性と吸水性


通気性が良く、汗をかいても吸水してくれるため、特に夏場など汗をかく季節に快適に過ごせます。

2-3.着脱のしやすさ


横方向への伸縮性が高いことで、脱ぎ着がしやすいので、着替えに手間取るシニア世代に適した素材と言えます。

2-4.手入れのしやすさ


シワになりにくく、比較的型崩れもしにくいので、普段使いの衣類に適しています。

また、洗濯機での洗濯にも対応できるものが多く、手入れが楽です。

2-5.汎用性の高さ


様々な素材(綿、ポリエステル、麻など)と混紡できるため、用途に応じた機能性を持たせることができます。

例えば、綿とポリエステルの混紡であれば、綿の吸湿性とポリエステルの速乾性の両方を活かせます。

2-6.価格が手頃


一般的な編み方であるため、大量生産が可能であり、比較的安価で手に入りやすい素材です。


天竺素材のメリットは、特徴とほぼ一緒なのですが、その特徴とメリットから日常使いの衣類としてとても人気がある素材です。


メリットがあると、必ずデメリットもあるのですが、天竺素材のデメリットにはどのようなものが挙げられるのでしょうか?


3.天竺素材のデメリット


3-1.透けやすい


特に薄手の天竺素材や、白など淡い色のものだと透けやすい場合があります。

夏場のTシャツなど、インナーが透けてしまうことがありますので、注意が必要です。

3-2.シワが気になる


メリットで比較的シワになりにくいとありましたが、素材の種類(綿100%など)や、洗濯後の干し方によってはシワが目立つことがあります。

3-3.型崩れの可能性


繰り返し洗濯をした場合など、首元や裾などが伸びて型崩れしてしまう場合があります。

ニット製品ですので、その編み方や、耐久性の低い糸を使っていると、この傾向が顕著に出ることがあります。

3-4.毛玉(ピリング)


摩擦の多い部分(脇の下や袖など)に毛玉が発生ことがあります。

特にポリエステルなどの化学繊維との混紡商品に発生しやすい傾向にあります。

3-5.乾きにくい


厚手の綿100%などの素材によっては乾きにくい場合があります。

ポリエステルとの混紡のものは、乾きやすいのですが、綿100%の肌触りを重視する場合、乾きにくいという点がデメリットになります。



以上がデメリットになりますが、これらのデメリットは、素材の混紡率・糸の太さ・編み目の密度・加工方法によって変わってきます。

とてもメリットの多い天竺素材ですが、乾きにくい時期には乾きやすい混紡を、肌に直接触れるものだから綿100%を・・・という風に上手く選ばれることをおすすめいたします。