藍染め

藍染め
先日、京都のランドマーク五重塔として有名な東寺の食堂に行くと、橋詰清貫藍友禅作家の作品を展示しておりましたので拝見しました。

展示品場は、大きな屏風、額縁などで埋め尽くされており。

藍の、なんとも言えない色味と、藍から醸し出される空気が心地よいものでした。

スタッフの説明によると、藍には抗菌効果があるとのことでしたので、今回は、藍染め・藍について触れてみたいと思います。



藍染めは、植物の藍を染料として用いた染め物です。

日本では、江戸時代に多く行われ、なかでも阿波藩の生産が盛んだったこともあり、現在でも徳島県の特産品として有名です。


藍染めの方法には3つの方法があります。

・生葉染め

最も古い染め方で、布に生葉を叩きつけて染めたり、すりつぶした汁で染めたりします。


・乾燥染め

葉を乾燥させたものを用いる方法で、生葉に比べて無駄なく染色でき、染める時期を選ばない特徴があります。


・すくも染め

乾燥した葉を室の中で数ヶ月かけて醗酵させてすくも(蒅)を造り、更にそれを臼でついて固めて藍玉を作り、これを利用する方法です。

高度な生産技術と手間を必要とするため、現在では徳島県以外で日本産のすくも染めを行っている所はあまりありません。

すくも染めの長所は、染料の保存が楽なこと、いつでも醗酵させて染色できること、木綿にも濃く染められることなどがあります。


以上の染め方、どれも手間がかかる作業を要しますので、移り変わりが激しく忙しい現代では安価な化学染料に押されてしまったのもうなずけます。


では、藍染めの効果効能はどうでしょう・・・

藍染した布には、細菌が増えるのを抑制する抗菌効果、消臭効果、虫除け効果があると言われています。

私が食堂で気になったのは、作務衣でした。

抗菌効果・消臭効果がありますので、作業用の作務衣には最適だと思います。


では、藍の効果効能にはどんなものがあるのでしょうか?

藍の葉は、古くから薬用植物として用いられており、解熱、解毒、抗炎症、抗菌などの効果が期待できるとされています。

近年では、コレステロールを低減させる効果についても研究されています。

そして、藍をお菓子やパン、ハーブティなどから食用として取り入れる方法も研究されているようです。

とても面白い研究だと思います。

四国大学が見出した藍の食用としての可能性(農林水産省HP)

ちょっと見かけて気になった藍染め、昔の人が生活に取り入れていたのには大きな理由があったことが分かりました。

現在、自然素材の藍染めを購入するとなると、少々お値段ははりますが、

様々な商品がありますので、取り入れやすい価格のものから取り入れてみるのもいいと思いました。